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【高校生】塾が中高生に薦める漫画 菌が見える!?もやしもん

 高校生の勉強法

京都では、コロナウィルス流行の影響で府立高校が3月3日(火)から15日(日)まで、市立高校は3月5日(木)から4月の始業式まで春休みの先取りのような休校期間に入ってしまいました。

 

本来であれば3月に勉強するはずだったことが4月以降に先送りになり、勉強の遅れを心配している高校生もいると思います。今回は「勉強が遅れるのは不安だけど、一人では勉強できないよ!」という人に向けて、ひとりでも自然に勉強できちゃう学習漫画をお勧めしたいと思います。

 

「衛星授業や勉強動画、学校からの課題があるから大丈夫。自分のペースで勉強するよ。」という自分で勉強できる人は読まないでくださいね(笑)

 

生物漫画の金字塔!【もやしもん】

ざっくりしたあらすじ

主人公は、沢木 惣右衛門 直保(サワキソウエモンタダヤス)。長く続く「もやし屋」の次男坊です。もやし屋とは、日本酒やお味噌、醤油などの発酵食品を作るときに必要な麴菌を作って販売する仕事です。直保は、幼馴染で造り酒屋の息子の結城蛍と一緒に東京の農業大学に進学し、祖父の古い友人だという樹教授や研究室のメンバーと出会い、菌の魅力と可能性を知り世界を広げていきます。


おすすめポイント!
菌や微生物がおもしろい!

CMで「乳酸菌」という単語を聞いたり、なんとなく「酵母」とか「発酵」という言葉を聞くことがあっても、「菌」というと「汚いもの」というイメージがありませんか?もやしもんを読むと、一言で菌や微生物と言っても人間に有害なものだけでなく、役に立つ菌がたくさんいることを知ることができます。このご時勢ですから、除菌や滅菌が大切なのは確かです。ウィルスの怖さを実感するシーンも出てきます。なんでもかんでも除菌滅菌するのではなく、正しく微生物と付き合うのが大事だな、と思えます。

 

大学がおもしろい!

今、高校生のあなたにこそ、大学が舞台であるこの漫画を読んでほしいと思います。大学の自由さや面白さが詰まっています!

 

私も、化学・生物系の理系出身なんですが、大掃除のときに洗剤をみんなで手作りしたり、大学構内の池で(勝手に)浄水実験をしたり、バーベキューのために本気で野菜をビーカーで培養したり…、東京農大ほどではありませんが、授業以外にも楽しいことがたくさんありました。

 

あっ、授業も楽しかったですよ!大学に入ってから、自分が本当に好きなことも自覚しました。大学が将来の仕事につながるのも確かですが、それ以上に大学には楽しいことがあるということを高校生のあなたには知ってほしいです。

 

お気に入りエピソード【春祭】(2巻)

東京農大で1年に1回行われるお祭りで、ある日突然校門が封鎖され、春祭が終わるまで外に出ることは許されず、大学は自給自足状態になります。春祭中、学生たちも教授陣も学内の露店で買い物をしたり、各研究室が日頃から作っている食品を物々交換したりして暮らします。食物が豊富にある東京農大ならではのイベントです。

 

春祭を取り仕切っているのは「農志会」という学生組織なんですが、春祭を終わらせて大学から出るためには、農志会のメンバーを倒して校門の鍵を手に入れなくてはいけません。直保たちも農志会に立ち向かいますが、目的は校門の鍵ではなく別のもの。果たして、直保たちは農志会を倒して目的を果たせるのか…?

 

お気に入りポイント

春祭を早く終わらせたい学生VS農志会の戦いがバカバカしくて最高。露店では武器が販売されていたり、不法な商売をする学生がいたり、大学独特の雰囲気が出ていていいんです。ちなみに通貨も春祭限定の学内専用のものが流通するなど、本格的な自治状態になるのもいいですね〜。大学生ならではのノリがたまりません。

 

日本は発酵大国?

海に囲まれた日本では、昔からたくさんの魚が獲れるので塩漬けなどの保存方法を試行錯誤するなかで発酵が暮らしの中に根付いていったといわれています。日本の発酵食品を想像してみてください。味噌、醤油、漬物、納豆…。魚介類と言うと、塩辛、魚醤、かつお節。すべてではありませんが、しょっぱいものが多いです。保存のために塩漬けした食品が発酵したことが発酵の歴史の始まりだとすると、頷ける話ですよね。

 

もやし屋の歴史

平安時代にはすでに種麹屋があったそうです。種麹屋さんがそれぞれ工夫して麴菌の品質向上に努めたおかげで、発酵食品の質は安定し、今でも日本独自の食文化を楽しむことができているんですね!

 

身近な発酵食品

あらすじにも書いたように、味噌や醤油、日本酒だけでなく世界には発酵食品があふれています。パンやチーズやヨーグルトも、ぬか漬けやキムチも、ワイン、コーヒー、チョコレートも、みんな発酵食品です。

 

発酵食品は、そもそも冷蔵庫がない時代に食料を長期保存するために作り始められました。コーヒーやチョコレートはちょっと難しいですが、家でも楽しめる発酵食品は結構たくさんあるのでこの機会にチャレンジするのもいいかもしれませんね!私も、もやしもんに影響されて家で納豆を作ったことがありますが、思っていたよりも簡単で美味しかったです。

 

身近じゃない菌の話

もやしもんでは、菌研究の第一人者である樹先生が再三「テラフォーム」という言葉を使います。テラフォームと言うのは、人為的に惑星の環境を変えることです。樹先生は、菌によってテラフォームを行おうとしています。

 

実際に、日本でも汚水の浄化に微生物が使われていますし、土壌緑化にも微生物が使われています。植物や動物にとっては有害な物質を無効化、分解できる微生物は今でも新しく発見されることがあり、環境改善に役立っています。

 

まとめ

「もやしもん」は生物に興味がある高校生にも、むしろ生物にまったく興味がない高校生にもぜひ読んでもらいたいです!「高校でのが将来何の役つのか?」と思っている高校生も多いのではないかと思いますが、「もやしもん」を読めばそんなことはないとわかってもらえると思います。

 

こんな時だからこそ、ぜひゆっくり漫画で見聞を広げてみてはいかがでしょう?