【大学】大学での学びを少しかじってみよう「生産関数と経済学」
JUGEMテーマ:学問・学校
この記事を読むためには、高校の数学I程度の知識が必要です。
知識がなくても何が言いたいかは極力わかるようにしますね。
生産関数Y=F(x1, x2, ... , xn)
私が経済学をやっていて良かったと思うことのひとつに、
生産関数
Y=F(x1, x2, ... , xn)
という数式に出会えたことがあります。
マクロ経済学の初歩の初歩です。
何かを生産するにあたって、生産量Yを決める要素がいくつも(この式ではn個)あって、そのうちのどれに注目するかによっていくつかの違った経済のモデルが考え出されます。
だいたい、労働・資本・土地に注目します。
ある生産要素の、生産量への影響力
もし他の条件が一定だとして、ある生産要素(xiとします)が1だけ変化したとき、生産量Yはどれだけ変化するでしょうか?
たとえば、労働力が1人分増えたとき、生産に用いる機械を1台増やしたとき、あるいは数値では表しづらいけれど、技術が1歩革新したとき、などなど。
もちろん、ほかの条件が全て一定になるなんてありえないけれど、それでもxiのYに対する影響力みたいなの(「限界生産力」といい、MPと表します)は見えてきます。
あくまで、"ある程度"、ですが。
ある人の、チームでの仕事への影響力
さて一旦、経済学のお勉強から離れまして…
「Y=F(x1, x2, ... , xn)」の、変数がめちゃくちゃ多い感じって、人間関係にも似ていると思いませんか?
人の数だけ互いに影響しあって、何か達成したいこと(便宜上、「生産量」と呼びます)Yを生み出すとします。
その生産量Yは、仕事の場では「チームワークの成果」を意味するでしょうし、人間関係なら「隣人との良好な関係」を指すでしょう。
はたまた、悪党からしたら、「自身に利する何かのこと」なのかもしれません。
各々の定義次第です。
たとえば、あるチームの監督が、「このチームにaさんさえいなければ!」なんて嘆いたとします。
その嘆きが正しいかどうかは、aさんのYに対する限界生産力(MPaとします)を見てみればわかります。
「aさんがあとほんの少し努力したとして、生産量Yはどれだけ変わるでしょうか?」ということです。
数学IIIまで知っている理系の人になら、「生産量Yをxaで偏微分すればMPaを求められる」と言えば伝わるかな。
もしかすると、監督はMPaを過小評価しているから、無駄に嘆いているだけなのかもしれません。
あるいはaさんに関係なく、監督自身が生産量Yを左右する要素xbだったのかもしれません。
偏微分では分析しきれない、xaを左右する他の要素xcも関係しているかも。
結局、何が言いたいかというと…
世界は複雑で、多変数
何が言いたいって、人の集まり…
大げさにいえば社会では、簡単に言い切れるような事なんてなかなかないってことです。
もっと言うと、いくら言葉を尽くしても、それらを短く説明する数式をいくつ用いても、それでも説明しようがないくらい複雑で多変数なことばかりだってことです。
もしある現象の理由がわかった・説明できたとしても、あくまでも、"ある程度"わかったにすぎないのです。
私は「Y=F(x1, x2, ... , xn)」の数式から、「謙虚であれ」というメッセージを感じます。
「一事(xi)だけでは万端(Y)を知ることができないと肝に銘じなさい」と言われているような感じがします。
経済学にもいろいろあります
今回紹介したのは、マクロ経済学の一部の初歩の初歩みたいなところです。
実際には、上に書いたような「社会って複雑だしよくわからん!」みたいな突っぱね方はせず、いくつかの生産要素に注目してもっと分析とかいろいろします。
マクロ経済学があれば、もちろんミクロ経済学もあります。
数学が苦手なら、行動経済学なんかも面白いかもしれませんね。
行動経済学は、結構親しみやすい理屈がちょくちょく出てくるので、高校生や一般の方にもオススメ です。
こちらの記事で行動経済学を用いた子どものテストとの向き合い方も紹介しています。
大学の勉強、面白いですよ。