You-学舎は、大阪(茨木・南茨木・千里山)、京都(西院・太秦)の個別指導・学習塾です。

【千里山】化学と不老不死 おもしろ理科話6「秦の始皇帝と水銀」

 理科系関連

JUGEMテーマ:教育

秦の始皇帝と水銀

おもしろ理科話3にて、海洋生物と不老不死についてお話ししましたが、今回は化学と不老不死のお話をしたいと思います。

 

秦の始皇帝

秦の始皇帝と言えば、社会の教科書にも出てくる歴史上の人物ですね。

秦が中国を統一するお話は,マンガでも大人気ですね。

 

中学で習うことは大まかに二つ

中国を統一した。

北方民族に備えて万里の長城を作った。

 

ここからが少しマニアックなお話。

中国統一後、秦の始皇帝は不老不死になろうとします。

不老不死の研究を命じられた研究者たちは、不思議な性質を持つ水銀に目をつけました。

水銀の不思議な性質

水銀の性質は本当に面白いです。

金属で唯一の液体です。ほとばしるターミ○ーター2感。

(写真はwikipediaより引用)

 

水銀は様々な金属と常温で反応します。

その光景はまるで、水銀が他の金属を取り込み、成長しているようです。

何も知らずにそれを見たら、水銀が不思議な力を持っていると言われても信じたでしょう。

さらに、水銀は、金や、銀といった金属とも反応することができます。反応性の乏しい金と反応することができるのは珍しい性質です。水銀との合金をアマルガムといいます。(金属を混ぜ合わせたものを合金と言います。青銅や鋼などが有名ですね。)

昔はこの性質を使って金と銀を取り出すときにも使われていました。

この方法では水銀を蒸発させます。危険だということで、現在はあまり使われていないようです。

水銀は日本では、四大公害の原因にもなっているものですので当然と言えば当然です。

 

水銀と始皇帝

始皇帝は中華統一後、永遠の命を欲します。

不老不死の研究を命じられた研究者たちは水銀の含まれた薬を作りました。

水銀の性質により、水銀は永遠の象徴としても見られていたからです。

始皇帝は毒であることを知らずに、水銀の薬を飲みました。

始皇帝は、不老不死を求め、水銀を飲み、逆に死期を早めてしまったということです。

始皇帝が水銀を特別視していたことは、始皇帝の墓から見つかった大量の水銀からも分かります。

 

ちなみに、始皇帝の死後も水銀は不死の象徴として扱われます。

漢の時代には不死の研究は錬丹術と呼ばれるようになり、本格的に水銀の扱いや、薬の研究がされています。

西洋の錬金術でも不死の研究をしています。

錬金術の目的は金を精製すること。先ほど述べた、金と水銀の合金から金を取り出すことから注目を集めたことは想像に難くありません。さらに、不老不死を与える賢者の石は水銀と硫黄から作ることができると考えられていました。

水銀に対する興味は古今東西を問わないようですね。

実は、あのニュートンも錬金術を研究していたと言われています。

と言うよりも、錬金術は化学の先がけですから、科学者として、錬金術を学ぶことは当たり前だったのでしょう。

 

様々な可能性

水銀はかつては薬にも多用されていました。現在でも少しは残っていますが、今後、無くなっていく動きにはなっています。科学の発達により、良い面が発見されることもあれば、悪い面が発見されることもあるわけですね。

科学にも歴史あり。です。先人たちの研究を引き継ぎ、更なる研究を続けることで、今の科学は成り立っています。

また、研究されるのは、水銀のような、不思議な物質だけではありません。

 

最近話題になったニュース(2019年の6月時点)で一番驚いたのは、市販の液体のりを使って造血幹細胞の培養に成功したということでしょうか。最近では使う機会が少なくなっていた液体のりが最新科学に利用され成功するという摩訶不思議。液体のりを使うという発想は、研究者からすれば性質に目を付けた、当たり前の発想かもしれません。しかし、水銀のような見るからに特別な物質以外にも、このようなことが見込めるのであれば、私は身の周りの物全てに可能性を感じます。目の前にあるものが、当たり前ではないことを再確認させられたニュースでした。

 

また、流行っていたり、面白いと感じたものを見つけたりしたら、科学的な視点を取り入れて紹介できたらと思います。

 

理科おもしろ話シリーズ

 

この記事はたきもとが書きました。