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【千里山教室】ストレートは空を飛ぶ?おもしろ理科話2(重力編)

 理科系関連

「ストレートは空を飛ぶ?」

最近何気なくテレビを見ていたら、

ふと気になることがありました。

 

なぜ、野球のストレートはまっすぐ進むのか?

 

 

「どうした?」と多くの人は思ったかもしれませんが、

これは異常事態です。

 

ボールが落ちないということは、

重力を無視しているではありませんか!

 

私との温度差を解消するために、

まずは重力についてお話ししましょう。

(重力は中学1年と3年の理科で習います)

「重力」とは?

地球上ではどこでも働いている

「地球の中心向きの力」のことです。

力が働いていると必ず物体はその方向に動きます。

ペンなどを空中で離すと、

ペンは下へ落ちていくのは、

地球の中心に向かって動いているということです。

 

地面や机に接していると、

「垂直抗力」という力が重力がつり合うようになっているため、

地面に埋まっていくことはありません。

「力がつり合う」とは?

力が「反対向き」「一直線上」「同じ強さ」で働いている状態です。

この状態だと、物体は動かないか、

「等速直線運動(同じスピードでまっすぐ進む運動)」をします。

ストレートと重力

ボールは手から離れた瞬間から、

空中にあることになるので、

重力によって下に落ち始めなければならないはずが、

落ちているようには見えませんよね。

 

ボールはめっちゃ早いから、

落ちる前にキャッチャーミットに収まっているんじゃないの?

と思った人もいるかもしれませんが、

ボールを投げてからキャッチャーに届くまでを

0.5秒で到達するとして考えたとしても、

1.2メートル近く落ちる計算になります。

(計算の方法は高校の物理で習うのでここでは省略)

しかし、1.2mも落ちているようには見えません。

 

ボールが重力を受けているのに

下に落ちないということは、

力のつり合いを考えると、

ボールに上向きの力が働いているはずです。

 

落ちるはずのボールが落ちない。

しかも上向きの力をもってまっすぐ進む。

「これは、ストレートは空を飛んでいる!」

と言ってもよいのではないでしょうか?

 

空を飛ぶ乗り物代表の飛行機と比べて、

ストレートが空を飛んでいるのかを考えてみましょう。

 

飛行機が飛ぶ理由

飛行機も基本的には前にしか進もうとしていません。

飛行機には翼はありますが、

鳥のように羽ばたいているわけではありませんし、

翼の下にジェットエンジンがついていても、

地面に対し水平についているので

前向きに進む力しか生み出しません。

 

しかし、前向きにしか進もうとしていないのに、

飛行機は飛ぶことができます。

 

それは翼の形状が特殊な形状をしていて、

上下を通る空気の速さを調整することで、

上向きの力を得ているからです。

速度が速くなればなるほど上向きの力は大きくなります。

 

「飛行機は前にめちゃくちゃ早く進むことにより、

翼に上向きの力がかかって飛んでいる」

ということです。

 

ストレートと飛行機

ボールは翼のような特殊な形状ではありません。

縫い目に凹凸はありますが、ほぼ球体です。

しかし、飛行機にはない動きをしています。

 

回転です。

もう少し正確に言うならば、

「バックスピン」です。

 

このバックスピンが、

ボールが上下を通る空気の流れを変化させることで、

上向きの力を発生させています。

ストレートは、ボールが回転しながら

時速140キロ程度で前に進むことで

上向きの力を発生させているから、

落ちずにまっすぐ進むのです。

 

前に進む力を利用して、

上向きの力を得るという点においては、

飛行機もストレートも同じです。

 

つまり「ストレートは空を飛ぶ」のです。

 

講師

空を飛ぶというのは言い過ぎかもしれませんが、ストレートがまっすぐ進むことのように、当たり前のように思えても、実はちゃんと理屈があることは結構あります。

ちょっとでも疑問に思ったら調べてみるといいと思いますよ。

 

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